2011.04.28    カテゴリ:  江津湖周辺地域 

   河童堀

河童堀。
それは出水方面から江津湖上流部に流入する水路。

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▲ 出水小通りからみた河童堀 2009/07/14撮影



熊本の実家の前を通っており、
個人的には最も身近な水路だった。

たまにはこの由緒正しい農業用水路について書いてみよう。
(長くなるけど)


水路の始まりは、白川の渡鹿堰から引いた水で、
大井手から分かれて大江、九品寺、白山あたりを経由して、国府、出水地域まで流れ着く。

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▲ 白川の渡鹿堰 2010/08/14撮影

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▲ 渡鹿堰にある記念碑の説明書き 2010/08/14撮影

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▲ 渡鹿を流れる大井手 2010/08/14撮影

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▲ 国府を流れる河童堀 2009/07/14撮影



そして最後には、
加勢橋の50mほど上流の児童公園脇から加勢川に流れ込んでいる。


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カッパ堀01-090626
▲ 加勢川と合流する河童堀 2009/06/26撮影



時代をさかのぼり、
例えば戦後の河童堀はどうだったのだろうか。

父の話では、羨ましいことに、我が家の庭に湧水の池があった。
また文献によると、同じように井戸や池のある周辺の家々から清水が流れ込み、
河童堀は相当の水量があった。

そして両岸は現在の国府高校あたりまで立派な石垣で護岸され、
いくつかある水門が周辺の水田を潤し、
水門のたまりでは子供から大人までが釣りや魚採り、水泳に興じたという。
ウナギやドジョウなどの色々な魚が、
河童堀にはたくさんいたらしい。



そして私の小学生時代(1980年代)、
河童堀は古い石垣を残しながらも、下の方は犬走りが作られ、
コンクリートで固められており、
ゲート(水門)が1カ所に残されていたのを覚えている。
すでにこの時、周辺の都市化と生活排水の流入でミズワタに覆われ、
河童堀はドブ川となっていた。

それでも私たちは犬走りを走り回り、
網を持ってフナを追いかけた。

大雨であふれると学校に行けなくなるのを喜び、
魚が江津湖から上ってくるのを待ち、
調子に乗って家の前でハヤ釣りまでやってみた。
増水した河童堀には、
ヤマトシマドジョウがたくさん遡上してきていた。

ちなみに、この当時の護岸の石積みは、
チャンポンで有名な”天龍”の亡くなったおじいさんが
石工職人時代に積み上げたと聞いた。



そして、現在。
30年前のミズワタがあふれていた頃と比べると、
下水道普及のおかげで水質はかなりよい。
ただし、周辺の家々にかつてあった井戸や湧水は水量が減り、
埋め立てられてしまった。
農地の減少により、かんがいの必要性も薄れ、
水量は季節によってはかなり少ない。

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▲ 夏の河童堀 2009/07/14撮影


実はコンクリート護岸の根元にはすき間があり、
コイやフナ、ナマズ、オイカワ、スッポン、
ヨシノボリ、スジエビなどがわずかに隠れている。
特に、堀にかかる橋の下は魚が集まる。

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▲ 河童堀にかかる橋の下 2009/07/14撮影


オオカナダモやエビモなどの水草も点在する。


ゴミを捨てる人はいるが、
夏には各家庭の橋の上から、
子供たちが花火を楽しむ。

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▲ 河童堀で楽しむ花火 2009/08/15撮影

そしてやはり、
今でも網を持って魚を追う子供を見かける。



河童堀は基本的には農業用水路のため、
渡鹿堰土地改良区が管理していると思う。

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▲ 夏の河童堀 2009/07/14撮影


江津湖から河童堀への魚の遡上を妨げるものはほぼないので、
三面コンクリートとはいえ条件を整えれば、
きっといきもののあふれる楽しい場所になると思う。


もし許されることなら
捨て石や乱杭を配し、
二枚貝や水草が住めるよう砂だまりを設け、
いろいろ生物の隠れ家をつくりたい、
と虎視眈々と妄想してしまう。



参考文献:「河童堀」昔今!松原健治氏著(江津湖 第5号 1991 江津湖研究会)

阿蘇のH先生

コメントありがとうございます。
昨日からそちら方面へ行っておりましたが、
上の方は雨足が強く、早々に下の方へ下りて徘徊してました。

ところで水路の生息場づくりでは、
役割分担と管理上の利便性確保をいつも言われてます。

口を出す以上、地元が手も出し汗もかくのが当然ということですが
私が地元にいないので、
父や甥っ子に頼もうかとまた勝手なことを妄想してます(笑)。

でもなんだか、既得権益とか慣行だとか選挙だとか
聞くところでは大変そうな感じです。
 「河童堀」について、興味深く読みました。おっしゃるとおりです。土地改良区の工事というのは受益者負担分があって、自然・生きものに優しくという改良がなかなか難しいと聞きました。それでも、ぼくの住んでるところの農水路はもう少しなんとかならないかと日頃考えています。






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