2017.10.06    カテゴリ:  江津湖以外 

   バラタナゴ


 
9月にカネヒラを撮影した水路では、バラタナゴの幼魚が群れていました。
今年の春に生まれた魚だと思います。

オオカナダモ表面の何かをつついて食べているようです。


バラタナゴ170909-2(700)
E-620 ZD14-54mmⅡ(54mm) f7.1 1/180秒 ISO250





ニッポンバラタナゴは、全長4~5cm、繁殖期のオスは真っ赤に色づき、熊本では、少なくとも私の親世代にはビンタ、シビンタの愛称で親しまれていました。
昭和の日本画家 堅山南風が江津湖で描いた魚楽園「朱(しゅ)ビンタ」には、カネヒラとともにニッポンバラタナゴらしい魚が描かれているので、昔の江津湖では小さいながらも存在感のある魚であったのだと思います。


平野部の細流や農業水路などの流れの緩やかな場所、浅い池沼などに生息します。

繁殖期は3~9月とタナゴ類の中では長く、ドブガイイシガイの中に数粒の卵を産みます。仔魚はふ化後20日程度で貝から浮出し、生後半年から1年で成熟するそうです。

バラタナゴ170909-1(700)
E-620 ZD14-54mmⅡ(54mm) f7.1 1/180秒 ISO250



バラタナゴの稚魚や幼魚は背鰭前縁の黒色斑が目立つのですが、カゼトゲタナゴのそれと比べるとやや小さ目です。


雑食性で付着藻類や小型の底生動物を食べます。


純系のニッポンバラタナゴは日本固有種で、本来は琵琶湖・淀川水系、大和川水系、山陽地方、四国北東部、九州北部に分布します。ただし外来種タイリクバラタナゴとの交雑が進み、自然界での存続は危機的です。
江津湖でもはっきりとした資料はないのですが、タイリクバラタナゴの遺伝子を持つ個体が入り込み、交雑が進んでいると考えられています。産卵に使う二枚貝とともに数が少ないです。


この写真は熊本県内の水路で撮影しましたが、果たしてニッポンバラタナゴなのでしょうか?


実は5月に同じ場所で、真っ赤なバラタナゴ2匹が目の前を通り過ぎていきました。この時にはうまく撮影できず、その赤が目に焼きついたまま、今年の繁殖シーズンが終わったのでした。



2017/9月撮影 熊本県内水路にて (江津湖以外)
参考:
くまもとの自然シリーズ1 江津湖の自然(監修/熊本大学名誉教授 吉倉眞).1986.熊本生物研究所
山渓ハンディ図鑑15 日本の淡水魚(編・監修/細谷和海、写真/内山りゅう).2015.山と渓谷社

2017.10.02    カテゴリ:  江津湖以外 

   ムギツク

  
 

カネヒラを撮影した水路には、大小のムギツクもいました。
ムギツクは、熊本では「コモソバエ」という地方名でも呼ばれるようです。

ムギツクの体は細長く側扁し、吻は縦扁し、吻は細長く、一対の口ひげを持ちます。
吻端から尾びれ基部まで明瞭な黒色縦帯を備え、大型個体ではこれが不明瞭になります。側線は完全です。
 
ムギツク2-170909-700
E-620 ZD14-54mmⅡ(25mm) f7.1 1/180秒 ISO250





河川中流域とこれに連絡する水路に多く生息し、流れの緩やかな河川の淵やよどみを好みます。動物食に偏った雑食性で、これらの餌が生息する木杭や石の周りでよくみかけます。

繁殖期は5~6月。卵は大きな石や岩盤、水草や流木に産みつけられます。オヤニラミドンコが生息する河川では、これに托卵するそうです。

稚仔魚・幼魚期は群れていますが、成長とともに単独で行動するようになります。
また、ムギツクカワヒガイと一緒に群れて行動している様子を見たことがあります。


ところで何度か書いていますが、私が小学生の頃には江津湖のゾウさんプールに潜ると、岩の周りで採餌する小さなムギツクたちを観察することができました。まるで水族館にいるようでとても楽しかったことを覚えています。
あの頃の江津湖ではまだ国内外来種のニゴイイチモンジタナゴを見ることがなく、国外外来種のバスやティラピア類に遭遇することもなく、タナゴの仲間がそのあたりで簡単に釣れていた時代でした。


もちろん、現在の江津湖にもムギツクはいます。目立たない魚ですが江津湖の在来種、大切にしたいメンバーです。


2017/9月撮影 熊本県内水路にて (江津湖以外)

参考:
くまもとの自然シリーズ1 江津湖の自然(監修/熊本大学名誉教授 吉倉眞).1986.熊本生物研究所
山渓ハンディ図鑑15 日本の淡水魚(編・監修/細谷和海、写真/内山りゅう).2015.山と渓谷社

2017.09.29    カテゴリ:  江津湖以外 

   カマツカ

 
 
カネヒラを撮影した水路には、カマツカもたくさん溜まっていました。

私が踏みつけてへこんだ砂地で、何かをしきりに食べています。腹をすかしているようです。


カマツカ1709009-1(700)
E-620 ZD14-54mmⅡ(25mm) f7.1 1/180秒 ISO250




カマツカ170909-3(700)
E-620 ZD14-54mmⅡ(54mm) f7.1 1/180秒 ISO250


手をついたところに、たまたまカマツカが潜っていることもしばしばです。


カマツカは、現在の江津湖でもよくみることができます。江津湖上流部本川の砂の上で群れて採餌したり、驚いて砂に潜って目玉だけ出したりしています。淵には結構な大物がいます。

実は私が子供のころには、江津湖でこのカマツカをみた記憶があまりないです。
よく遊んでいた湧水域にはカマツカはほとんど入ってこないし、加勢川本川は当時未処理の生活雑排水が流れ込み、あたり一面ミズワタだらけでしたので、カマツカは今よりもずっと少なかったと思います。まあ、ただ単に魚を見分けたり捕まえたりすることができなかっただけかも知れません。

その後熊本では、公共下水道の整備が進んで、江津湖上流部の水はきれい過ぎるくらいきれいになって、カマツカをよく見かけるようになった気がします。


もぐもぐと砂の上を物色しながら少しずつ前進するカマツカ君。これを専門に狙って釣ったり捕えたりするのも面白そうです。




2017/9月撮影 熊本県内水路にて (江津湖以外)

2017.09.28    カテゴリ:  江津湖以外 

   カワヨシノボリ

 
 
福岡県筑後川水系の河川に、ヨシノボリがいました。

胸鰭条数は16本にみえます。カワヨシノボリです。


ヨシノボリ1-170910(700)
E-620 ZD14-54mmⅡ(54mm) f7.1 1/125秒 ISO200





図鑑によると、カワヨシノボリは胸鰭条数が15~17本。
他のヨシノボリ(19本以上)よりも少ないことで区別ができるようです。

全長は5~8cm程度。
オスの第1背鰭は長く伸びる(壱岐・佐賀集団は伸びない)。

河川の上・中流域の流れが緩やかな場所に生息し、止水域では生息できない。河川陸封型。
大卵型で、ふ化した仔魚はすぐに着底する。付着藻類や小動物を捕食する雑食性。

分布は静岡県富士川、富山県神通川以西の本州、四国、九州北部、壱岐、福江島(五島列島)。



ちなみに、江津湖でのカワヨシノボリの生息の記録は今のところないと思います。



2017/9月撮影 福岡県筑後川水系河川にて(江津湖以外)
参考:
山渓ハンディ図鑑15 日本の淡水魚(編・監修/細谷和海、写真/内山りゅう).2015.山と渓谷社

2017.09.16    カテゴリ:  江津湖以外 

   カジカ(大卵型)

 
 
福岡県筑後川水系の河川にカジカがいました。

カジカ1-170910(700)
E-620 ZD50mm Macro f8 1/180秒 ISO400





胸鰭条数12、背鰭軟条数16。
カジカ(大卵型)ですかね。

カジカ4-170910(700)
E-620 ZD50mm Macro f8 1/180秒 ISO400




図鑑によれば、カジカ(大卵型)は淡水カジカ類の中で小型の種。
本州のほぼ全域と九州北西部に分布。

名前のとおりカジカの中では大きな卵(産着卵の直径2.6~3.7mm)を産む。
仔魚は降海することなく浮遊期を卵の中で過ごす。ふ化後、直ちに底生生活に入り、一生を河川で過ごす。河川の上・中流域の礫底にある小岩の隙間に身を潜めている。

繁殖期は2~6月。メスは浮石の下に卵をさかさまに産みつけ、オスが卵塊を保護する。
主に水生昆虫を餌とする。

カジカ5-17910(700)
E-620 ZD50mm Macro f8 1/180秒 ISO400



江津湖にも昔はカジカがいたらしく、今では絶滅したとされています。
それが陸封の大卵型であったのか、降海する小卵型(ウツセミカジカ)であったのかは今となっては分かりません。



2017/9月撮影 福岡県筑後川水系河川にて(江津湖以外)
参考:
山渓ハンディ図鑑15 日本の淡水魚(編・監修/細谷和海、写真/内山りゅう).2015.山と渓谷社
阿蘇山麓からの提言 澄んだ湖をつくる.清水正元著.1984.朝日新聞社

2017.09.12    カテゴリ:  江津湖以外 

   夏の終わりに カネヒラ

  
夏が終わり、田んぼでは稲穂が実りつつあります。


熊本県内のとある水路では流れる水が減り、
ちょっとした深みにたくさんの魚たちが溜まっていました。


秋産卵型のタナゴの仲間、カネヒラがいました。
水底から水面までを広く泳ぎ回りながら、オス同士が闘争していました。


闘争中の姿は撮影できませんでしたが、下の写真は婚姻色を帯びているオスのカネヒラです。
 
カネヒラ170909-01(700)
E-620 ZD14-54mmⅡ(54mm) f7.1 1/180秒 ISO320






優位なオスは、巡回しながら至るところで貝を覗き込んでいました。
下の写真は小型のイシガイを覗いているところ。

20170928184756660.jpg
E-620 ZD14-54mmⅡ(40mm) f7.1 1/180秒 ISO320







そのうちにオスはメスを連れ立って、体を小刻みに震わせながらイシガイの方へやってきました。
メスが産卵管をイシガイに差し込んで産卵したようです。
オスも二度三度と続けて放精らしい動きをみせました。

カネヒラ170909-03(700)
E-620 ZD14-54mmⅡ(45mm) f7.1 1/180秒 ISO320


なかなかその瞬間を撮ることができません。
決定的な一瞬をきちんと写すことはとても難しいものです。


カネヒラの稚魚は、二枚貝内で冬を越してから、
翌年の春に貝の外に出てくるそうです。

厳しい冬を貝に守ってもらうのですね。




小学生のころ(1985年ごろ)に、江津湖の東浜屋の前で巨大なカネヒラを釣り上げたことがありました。あまりにもでっぷりしていたので、最初はフナが釣れたのかと思ったほどでした。

このカネヒラ、江津湖では以前から減っていたようでしたが、実はここ4年ほど全く見ていません。江津湖ではカネヒラが産卵に使うイシガイもかなり少なくなっています。
カネヒラは遊泳力があり、気候の変化や成熟の状態に合わせ、湖沼、河川本流、水路との間を活発に回遊するそうです。なので江津湖にもきっとやって来るとは思いますが、昔のように子供の竿にかかるほどはいないと思います。



2017/9月撮影 熊本県内水路にて (江津湖以外)
参考:山渓ハンディ図鑑15 日本の淡水魚(編・監修/細谷和海、写真/内山りゅう).2015.山と渓谷社


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